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「先生×AIアシスト」で叶える個別最適な学びと協働的な学び。学習者中心の学びに欠かせない主体的に学べる学習環境

2025/01/30

先生×AIアシスト

茨城大学教育学部附属小学校

教師主導の授業から学習者中心の学びへ。この学びの変革を実現するためには、子どもたちが自らの学びを客観的に振り返りながら、主体的に学びに取り組むことができる環境や仕組みが重要になってきます。 茨城大学教育学部附属小学校では、その手段のひとつとしてtomoLinks「先生×AIアシスト」が活用されています。

【課題】
● 教師の指示ではなく、子どもが自分の意志で学びを進められるICT環境を整備したい
● 紙のプリントによる自主学習は教師の準備も大変で、返すだけで精一杯。負担を減らして個別学習の質を高めたい

【成果】
● 子ども用ダッシュボードと習熟度に合わせて学べる「おすすめドリル」で主体的な学びを支える環境を構築
● 問題の提示や自動採点、AI分析などを通して、教師ひとりでは手の届かなかった個別最適な学びを実現

子どもの「やってみたい」を引き出す主体的に学ぶツールとしてtomoLinksを活用

 自主性を重んじる校風で、「子ども自ら学びをデザインする」授業を追求している茨城大学教育学部附属小学校(以下、茨大附属小 )。 同校では、2021年に導入したtomoLinksの「連絡帳 」が児童と教師それぞれに利点があったことを受けて、tomoLinks「先生×AIアシスト」を6年生で試験導入し、その後、学校全体で本格導入しました。 情報教育研究部の直井裕紀教諭によると、tomoLinksは、毎日使う連絡帳やデジタルドリルから、MEXCBTが使える学習ポータルまで網羅されていることがメリットだといいます。

 5年生を受け持つ直井教諭は、日々の授業について、「子どもたちのやってみたいという思いから始まる学びを重視しています」と語っています。 教科書の内容や順番に沿って進めるのではなく、子ども自身の意思決定によって学習が進められるよう、その方向性を導くというのです。「家庭科のランチョンマットの製作でも、作ることがゴールではなく、ミシンの良さを子どもたちに聞きながら、自分たちなら何が作れるかを考えてもらい、ランチョンマットにたどり着きました。 実際の製作でも、個人で45分の活動目標を決めて作業を進めています」(直井教諭 )。

 このような学びを実践する直井教諭は、tomoLinks「先生×AIアシスト」を子どもたちの「やってみたい」や「きっかけ作り」を引き出すツールとして活用しているといいます。 子どもたちが、それぞれの必要に応じて使うことを重視しており、「tomoLinksで自分の興味のあることを調べたり、動画コンテンツを視聴したりする姿もよく見かけるようになりました」と直井教諭は語っています。

茨城大学教育学部附属小学校 直井裕紀教諭


教材会社と提携した充実のドリルクラス全体でモチベーションアップ

 直井教諭は、tomoLinks「先生×AIアシスト」のなかでも「おすすめドリル」と「かくにんテスト」を積極的に活用しています。 tomoLinksのおすすめドリルは、増進堂・受験研究社や教育同人社など有名教材メーカー複数社のデジタルドリル約5万問が利用可能※。 また、京都教育大学の黒田恭史教授が制作した外国籍や特性を持つ子ども向けの学習動画約1000本を含む、約1万本の動画教材も用意。 さらに、かくにんテストでは基本編と応用編の約5000問を網羅し、幅広い学力層と多様なニーズに応えています。

 直井教諭は、これらのおすすめドリルを子どもたちの自主学習に活用しています。 ただし、「1日何個やりましょう」と教師が課題を与えるのではなく、子どもたちの主体性に任せています。 直井教諭は加えて、tomoLinksのおすすめドリルにある、問題を解くと宝石が貯まる「学びの宝ばこ」を使い、「クラス全体で王冠が貯まったらレクリエーションを1時間しよう」と子どもたちと約束し、主体性を引き出す仕掛けもつくっています。 結果、子どもたちはどんどん自主学習を進めるようになったそうで、なかには、おすすめドリルに提示されていない問題に取り組んだり、雨の日の休み時間にドリルを進めたりする児童も見られるようになったといいます。「tomoLinksは動画教材も充実していますし、子どもたちも勉強っぽさをあまり感じないのがいいのかもしれません」と直井教諭はメリットを語っています。

 また、単元ごとの定着度を測るCBT形式のかくにんテストについても、直井教諭は自主学習の一環として全員に配付しています。 かくにんテストの結果はAIが瞬時に分析し、個々に不足している学習内容を判定。 子どもたちは児童生徒用のダッシュボード「学びのきろく」を通じて提示されたおすすめドリルに取り組むことができます。「自主学習で何から始めればよいのかわからない子にとって、まずは、おすすめドリルに取り組めばいいのは分かりやすいです」と直井教諭。 学びのきろくの活用状況は個人差があるものの、自分の強みや弱みを把握して学習を進める児童も出てきました。 直井教諭は「子どもたちの学習状況がボタンひとつで確認できるようになり、学習内容はもちろん、学習の取り組み方にもアドバイスできるようになりました。 自主学習の在り方も変わってきていることを感じます」と述べています。


「おすすめドリル」を活用し自分で学習を進める


ともケーションの画面。「学びの宝ばこ」は、「おすすめドリル」に取り組むと宝石がもらえる仕組み。 宝石が集まると王冠に変わり、王冠の数はクラス全体で集約される


「かくにんテスト」の問題


教師の手の届かないところをAIが補う学年に関係なく学べる個別学習

 直井教諭はおすすめドリルの効果について、「子どもたちに気づきを与えられるのが大きなメリットです」と語ります。「紙のワークやプリントは、どうしてもその時に学んでいる内容を扱うため、それ以前の段階でつまずいている児童へのサポートが難しい場合がありました。 その点、tomoLinksのおすすめドリルを使うようになってからは、学年に関係なく自分に合った問題が提示されるため、子どもたちは自分のわからない部分に気づいたり、忘れていたことを思い出したりするきっかけを得られます。 自分に合った問題を解くことで学習に追いついてきた感覚が持てるようです」と直井教諭は話しています。

 また、おすすめドリルは教師の負担軽減にも役立っています。「以前は、自主学習用のプリントを準備し、回収してスタンプを押す程度で精一杯でした。 それが今では、自動採点ですぐに児童の結果がわかり、できなかった問題には解説動画まで提示してくれます。 このような個別学習は到底、教師ひとりではできないレベルのもので、今まで手の届かなかったところをAIが補ってくれるのはとても助かります。 ほかにも負担軽減できたことで、子どもたちと関わる時間が増えましたね。『今週はドリルをほとんどやってなかったけど何かあったの?』など声がけできるようになり、一人ひとりの様子をより丁寧に把握できるようになりました」(直井教諭 )。

 茨大附属小では、学校全体でおすすめドリルの活用に取り組んでいます。 直井教諭はコニカミノルタが同校に試験提供しているクラス別の取り組み状況一覧を教師全員に共有し、数週間前とデータを比較することで子どもたちの学習状況を客観的に把握できるようにしています。 直井教諭は、「tomoLinksの連絡帳機能だけを使っていた先生方も、クラス別の一覧を見て、自分のクラスも積極的に取り組んでみようと思ってもらえるようになりました」と話しています。


「先生用」と「子ども用」のダッシュボード自分で学びを振り返り、主体的に学ぶサイクルを生む

 ICTを活用した教育実践研究を専門とし、茨大附属小の授業研究にも携わる放送大学の小林祐紀准教授。 同氏はtomoLinks「先生×AIアシスト」について、「個別最適な学びを実現しつつ、友達と協力して学ぶ仕組みや、支援が必要な子への指導も可能にしたりと、これからの学習者中心の学びを実現するために非常に有効なシステムだと考えています」と評価しています。

 特に「ダッシュボード」の機能に注目し、「多くのシステムではダッシュボードは教師専用のものしかありませんが、tomoLinksは『先生用 』と『子ども用 』のそれぞれに用意されているのがいいですね。 子どもが自分で学習履歴を参照し、自分の強みや弱みを把握しながら学びを振り返ることで、自己調整しながら学ぶことができます」と小林氏は語っています。 また、先生用のダッシュボードについても、クラス全体や個人ごとの学習進捗や定着度を詳細に把握することが可能になり、支援が必要な児童生徒を「見える化」できるのがメリットだといいます。 教師も声がけや指導のきっかけを作りやすく、子どもが分かったふりをしていても、個別指導をしやすくなります。 tomoLinksを通して、指導の個別化につなげられるというのです。

 子どもの立場から見た場合、tomoLinksのおすすめドリルが持つ問題の多様性と質の高さも大きな利点だと小林氏は語っています。 tomoLinksは教材会社と提携し、質の高いデジタルドリルを5教科にわたって提供。簡単な問題ばかりで上位層の子に対応できないデジタルドリルもある中、tomoLinksはその点で優れているといいます。 ほかにも小林氏は、「tomoLinksは個人の学びだけでなく、子ども同士が互いの頑張りを意識し合い、さらに成長できる仕組みがあるのもいいですね。

放送大学 准教授の小林祐紀氏   


子ども用のダッシュボード「学びのきろく」


先生用のダッシュボード トップ画面


先生用のダッシュボード「学習の定着度 」画面


学習者中心の学びを叶えるために

 直井教諭はこれからの学習について、今後は多くの学校が学習者中心の学び、探究的な学びに取り組んでいく中で、基本的な学力の定着を図るための時間を授業時間内で確保するのが難しくなってくると考えています。そうした点から、「これからはtomoLinksのようなサービスを活用して、子どもたちが主体的に個別最適な学びに取り組める環境を築いていくことが重要になるでしょう」と語っています。

 小林氏も、現在は多くの学校で授業のカタチをアップデートしている過渡期であり、tomoLinksを効果的に活用することで授業の在り方を変えていけるといいます。「基本的な定着と結果の把握はtomoLinksで行い、授業の中ではより高次な、議論や問いの解決に時間を使うこともできるようになっていくでしょう」と語りました。

学習者中心の学びをめざすためには、子どもが自ら学ぶ力を身に付けなければなりません。 そのためには、自分の学びを振り返ること、習熟度に合わせた個別学習が重要であることを茨大附属小の実践から知ることができました。 学びの変革が求められる今、tomoLinks「先生×AIアシスト」が新しい学びに導いてくれるといえるでしょう。




●茨城大学教育学部附属小学校

「個の確立 」と「はらからの精神 」の両立を教育理念とする国立大学の附属小学校。 昭和49年度から続く総合学習を基盤に探究的な学びを実践し、「子どもが自ら学びをデザインする」授業を追求している。異年齢縦割り活動「はらから班 」を通じて心の成長を育むとともに、未来を生き抜く力の育成を目指している。




※記載内容は、2024年12月時点の内容です

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