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生成AIを活用し、視点を広げながら問いを設定

2024/05/28

①生成AI自体を学ぶ
③教科の学びに用いる
中学校
理科

長崎大学教育学部附属中学校(長崎県)

授業での生成AI活用例:生成AIを活用し、視点を広げながら問いを設定

学校名:長崎大学教育学部附属中学校(長崎県)
学年:中学3年生
授業:理科
活用場面:物体の運動についての規則性を明らかにする問いを立てる


■授業の流れ

①物体の運動を予想してもらい、実際の運動を観察する

・「AコースとBコースではどちらが先にゴールするか?」2つのコースそれぞれのスタート地点から球を転がした場合の結果を、生徒に予想してもらいました。

・予想した内容と根拠を数名に発表してもらった後、実際の運動の様子を観察してもらいました。


②結果についての要因を整理する

・さらに運動を観察し、めあてをクラスで考えました。
 めあて:「どこでBのほうが速くなっているのか調べよう」

・先生から既習の原理(水平面・斜面における重力や垂直抗力の働き方など)について示し、振り返りを行いました。

・運動の結果について考えられる要因を、生徒の意見を聞きながら先生が黒板を使って整理しました。

 ~要因の例~

 「下り坂の角度」「区間ごとの距離」「上り坂の角度」など


③それぞれの要因について問いを立てる

・生徒は、生成AIや友達との対話をしながらそれぞれの問いを立てました。

・最終的に考えた問いをワークシートに記入した後、数人に発表してもらいました。


≪tomoLinks生成AI学習支援機能を活用

ワークシート画面から生成AIを呼び出し、生成AIの回答を簡単にワークシートに反映できます。生成AIの振舞いは先生が設定できるため、すぐに答えを出力するのではなく、生徒の思考を深めるような問いかけをAIにしてもらうことができます。   

※画面はイメージです


 ~生徒の立てた問いの例~

 ・上り坂で斜面の角度を大きくするほど、速さがより減少するだろう

 ・水平部分の長さを長くするほど、差は大きくなるだろう

 ・水平部分の長さを短くするほど、差は大きくなるだろう


④生成AIの利点と課題についての振り返りを行う

・生成AIを使った生徒に、使ってみた感想を発表してもらいました。


生徒の感想

・AIから質問されたことによって考えを広げることができた。(水平面で球の速度が持続するかを質問したら、「摩擦や空気抵抗について考えたか?」といわれて詰まってしまった)

・新しく考えないといけない要素や視点をもらうことができ、視野が広がった。関係ないと思ってカットしていた部分も、頭に入れて考えないといけないことを教えてもらい考え直す機会が得られた。

・tomoLinksの生成AIだと、こんな場合だったらどうでしょう?といった違う視点の提案が得られた。

・質問した結果、正しい部分は肯定してくれるので、自分の考えに自信をもって意見交換することができた。


先生の感想

・生成AIがないと問いが立てられないわけではないが、あるとよりいいという感じで使用しています。

・子どもたちの立てた問いを評価してもらうのではなく、より視点を広げてもらうために活用しています。

・tomoLinksの生成AI学習支援機能は、事前にAIの振舞いを設定でき、すぐに答えを教えるのではなく、思考を深めるための問いかけをしてくれます。(今回は生成AIには「中学校の先生」として振舞ってもらいました)よって、1つの答えを求めるときは検索、あらゆる視点から広く意見を聞きたい時は生成AI、というように目的に応じて活用していけると良いと思いました。





※記載内容は、2024年5月時点の内容です

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